歯垢染色液について
今回は歯科医院でできる歯に付着した磨き残し(プラーク)のチェックについて説明していきます。
皆さんは普段歯磨きのときに歯ブラシだけでブラッシングをしていますか?それともフロスや歯間ブラシも使っているでしょうか?
歯ブラシでブラッシングして取れる汚れは全体の6割程度と言われています。残りの4割は、デンタルフロスや歯間ブラシを使わないと取れない汚れです。
プラークは白色のため、歯の色と見分けがつきにくく、
プラークが残ったままの場合、
- 虫歯になりやすくなる
- 歯ぐきが腫れやすくなる。歯肉炎、歯周病になりやすくなる
などのリスクが上がってしまいます。
歯垢染色剤を使うメリット
では、歯垢染色剤を使うことでどのような良いことがあるのでしょうか。
プラークが見えやすくなる
歯の表面についた歯垢やプラークを色付けすることで普段は見えにくいものをはっきりと見ることができます。実際にお口の中のどの部分に歯垢が付着しているかを正確に見ることができます。
リスクの高い部分の早期発見ができる
歯垢は虫歯や歯周病の主な原因です。歯垢染色剤を使用することで、歯垢がたまりやすい部分を目で見て確認ができます。その部位のお手入れ方法を普段のケアに取り入れていただくことで歯の健康を守るための予防策を講じることができます。
当院では、成人の方もお子様もメンテナンスの際に患者様のお口の状態に合わせてブラッシングのチェックや磨きにくい部分の練習、歯垢染色剤を用いてのプラークのチェックなどを行なっております。
では、当院で使用している染色剤のひとつについて説明します。
トリプラークid ジェル
プラークを性質によって3色に染め分けます。
新しいプラーク→赤色
古いプラーク(48時間以上付着)→青紫
う蝕リスクの高いプラーク→水色
の3種類の色でプラークを染め分けます。
青い色素は、赤い色素よりもプラークの中で残りにくく、水で洗い流されやすい性質があります。
赤い色素は、プラークのpHの値が低いと見えなくなる性質があります。
反対に、青い色素はpHの値が低くても見えなくなることはありません。
プラークは付着してから時間の経過と共に、徐々に成熟し密な構造になります。
付いてからあまり時間が経過していない新しいプラークは税熟しておらず、構造が疎な状態です。
そのため青い色素はプラークから洗い流され、赤い色素だけがプラークに残り赤色に見えます。
付いてから約48時間以上経過し成熟したプラークは密な構造が密であるため、
青い色素と赤い色素の両方がプラークの中に残り青紫色に見えます。
また、むし歯になりやすい酸を作る能力の高いプラークはpHの値が低くなるため、そういうプラークでは、赤い色素が見えなくなり、青い色素の水色のみが見えます。