根っこの治療ってどんな治療?根管治療について
こんにちは。諫早市小野町の歯医者「たなか歯科医院」です。
皆さんは歯医者さんに行き、神経の治療をされた経験はありますでしょうか?歯の根の治療は時間がかかるイメージがありませんか?
実際問題としてとても時間がかかる治療なのですが、それに加えて歯茎のしたにある歯の根っこの治療を行っていますので、イマイチ患者さんに何をしているのか、今現在どういう状態なのかを説明が難しい為に、更に長くかかるイメージを与えてしまうと思います。そこで今回は歯の根っこの治療「根管治療」についてお話ししたいと思います。
治療のおおまかな流れ
ステップ1 かき出す
①歯に大きなむし歯ができ、神経が細菌に感染したままにしていると、膿んでしまっている状態が続き、炎症が広がると、場合により抜歯しなければならない場合もあります。
切削器具によりできた虫歯を除去していきます。
②リーマー・ファイルといった器具を用い、膿んだ神経をかき出し、歯の中で繁殖した細菌を減らしていきます。歯を傷つけないように細心の注意を払います。
※再根管治療の場合、以前に詰めていた根充材を取る作業をいいます。
ステップ2 殺菌する
③神経をかき出した管の中を薬剤できれいに洗います。
④消毒薬を詰め、新たな細菌が入らないよう仮の封をします。2~3回の通院で②③④を行い念入りに殺菌します。
ステップ3 封をする
⑤十分に殺菌ができたところで、空洞になった管の封鎖のためゴム状の詰め物(ガッタパーチャ)をします。この詰め物には多数種類があります。
⑥ガッチリ丈夫に封鎖をし、その上に被せ物を支える台(支台)を作り、そこに最終的な被せ物を被せます。
根っこの治療(根管治療)中の注意事項
根っこの治療は、1週間に1回程度が理想です。治療期間は長く空いたとしても4週間以内にしましょう。この治療では、掃除をした根っこに細菌が入らないようにシャットアウトする封の役割が非常に重要なのですが、治療途中の封は、外して掃除することが前提の「仮の封」なので、耐久期間は4週間程度といわれています。
治療の間隔が1ヵ月以上も空くと、封の隙間から細菌が入り、それまでの治療が無駄になってしまうことも。治療は間をあけずに終わらせましょう。また根っこの治療後の被せ物を入れる治療も、同じ理由で放っておかず早期に開始することをお勧めします。
知ってほしい!根っこの治療(根管治療)後の痛みのこと、食事のこと
神経を取っても痛みを感じるのはなぜ?
根っこの治療にともなう痛みの詳細は、いまだに解明されていません。根の先の急性的な炎症が原因で、おそらくは、歯のなかを掃除する時に細菌が一時的に活性化してあばれたり、つつく刺激や痛む刺激、消毒薬の刺激が加わったりするからではないかと考えられています。神経(歯髄)をとった後も、歯を包んでいる歯根膜など、歯の周りには痛みを感じるセンサーが張り巡らされています。そうしたセンサーが急性症状を感じとっているのです。
治療後の痛みや違和感は6~7割の方が経験します
根っこの治療で痛みを経験する患者さんはとても多いです。我慢できないほどの痛みから、ほとんど気にならない程度の痛み(違和感)まで含めると、6~7割の患者さんに何らかの症状が出ることが疫学調査で分かっています。治療を受けるたびに起きる痛みや違和感はつらいでしょうが、実は珍しいことではなく、治療がうまくいっていても普通に起きる症状です。2~3日過ぎるとだいぶ楽になり(痛みのピークは48~72時間)、1週間もすれば、痛みのある患者さんの95%が治まってきます。我慢できないような痛みでないならば、2~3日様子をみることをお勧めします。
治療した歯では噛まないでください
根っこの治療後に食事をする時は、治療した側で噛まないようにしましょう。内部を掃除中の歯には本格的な補強がされていないので、噛む力で割れてしまうことがあるからです。また、噛んだ刺激が痛みを誘発してしまうこともあります。特に仮歯が入っている状態で噛むと、治療中の根っこに強い力が加わるので、トラブルの原因になることもしばしばです。根っこの治療中、仮歯が必要な方は、噛み合わせなどに注意してお過ごしください。仮の封や仮歯が取れたときは歯科医院にご連絡をお願いします。
痛みを我慢せず薬は早めに飲みましょう
歯科医院でもらった痛み止めの薬は、「痛くなってきたな」「痛くなりそうだな」と思ったら、我慢せずに早めに飲みましょう。強い痛みを我慢すると、痛みに対する感覚が鈍感になってしまって痛み止めが効きにくくなるからです。また、痛みのないときは飲む必要はありません。通常2~3日分が処方されますが、ご希望の方は追加で処方も致しますし、市販の痛み止めを飲んでも構いません。ただ、薬を飲んでも効かないほどの強い痛みがある場合は、つぎの予約日まで待たずに歯科医院に連絡し、なるべく早く診てもらいましょう。
経過観察のための定期検診を受けましょう
治療後の経過観察は大変重要です。治療が終わってから症状がいったん消えても、万が一炎症が残っているとジワリと痛みが再発することがあるからです。特に根っこの治療は難治療になる場合が多く、専門医が治療をしても成功するとは限りません。こうした変化を早期にチェックし、悪化しないうちに手だてを講じるため、少なくとも年に一度は治療を受けた歯科医院でレントゲン確認してもらいましょう。治療後の経過観察は4年間が目途とされています。4年間再発がないようなら、まずは安心して頂いてよいと思います。