昔、治療した銀歯、銀の詰め物が笑ったりしたときに見えて気になる。 今は保険でも白い歯が入れられるって聞いたけど本当?
本当です!少し前に保険のルールが変わって保険でも白い歯が入れられるようになりました!
こんにちは、原口です。このコラムも五つ目になりました。
今回のコラムは昔に虫歯の治療を受けて銀歯が入ったけど気になっている方や、今から虫歯を治療するけどできれば白い歯を入れたいなと思っている方々に贈ります。
まずはいつも通り、白い歯(CADCAM治療)は結局どんなものなのかから話していきますね。
歯科CADCAM治療とは
歯科CADCAM治療は、コンピューター支援設計(CAD:Computer-Aided Design)とコンピューター支援製造(CAM:Computer-Aided Manufacturing)の技術を用いた歯科治療の総称です。主に、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)、などの歯科補綴物を、高精度かつ効率的に製作するために用いられます。
従来の歯科治療では、歯科医師が型取りをした歯型をもとに、歯科技工士が手作業で補綴物を作成していました。しかし、CADCAMシステムを導入することで、口腔内スキャナーで歯の形状をデジタルデータとして取り込み、コンピューター上で設計し、ミリングマシンと呼ばれる機械で自動的に補綴物を削り出すことが可能になります。
長すぎて頭の上に?が浮かんでいる方もいるかもなのでさらに簡単に説明します。
患者さんの口の中をパソコンで再現して、そこにぴったりはまるかぶせ物をデザインして機械でブロックから削り出してくる治療です。
CADCAM治療のメリット
- 白いです。一番のメリットと言っても過言ではないでしょう。歯との境目もわかりづらく、しゃべった際などに見える程度ではかぶせ物、詰め物だとはわからないレベルです。
- 精度の向上:コンピューターによる設計と精密な機械による製作により、手作業に比べて適合性の高い補綴物が期待できます。
- 治療期間の短縮:スキャンから設計、製作までを院内で行えるため、従来の治療に比べて大幅に治療期間を短縮できます。場合によっては、即日での装着も可能です。
- 快適な型取り:従来の粘土のような印象材を使用する型取りに比べて、口腔内スキャナーによるスキャンは患者さんの負担が少なく、嘔吐反射を起こしやすい方にも比較的楽に受けていただけます。あのピンクの型取りの粘土のようなものが嫌いな方は多いと思います。CADCAM治療であれば粘土を使わずに、棒アイスくらいのサイズのスキャナーでとれるので楽だったと言われることが多いです。
- 金属アレルギーのリスク軽減:金属を使用しない素材を選択することで、金属アレルギーの心配がある方でも安心して治療を受けられます。
- 対合歯への負担軽減:天然歯に近い硬さの素材を選択することで、噛み合わせた際の反対側の歯(対合歯)への負担を軽減できます。
- 長期的な安定性:適合性の高い補綴物は、細菌の侵入を防ぎ、二次的な虫歯のリスクを低減し、長期的な安定につながります。
- 保険適用:CADCAM治療は、条件を満たせば保険適用で治療を受けることができます。
CADCAM治療の注意点
- どの歯にもCADCAM治療ができるというわけではありません。特に奥歯は保険の条件がいろいろあるので、できるか気になった場合は担当医に聞くのがいちばんです。
- 素材の選択肢:保険適用のCADCAM冠で使用できる素材はハイブリッドレジンに限定されるため、色調や強度において自費診療の素材に劣る場合があります。
- 適応症:症例によっては、CADCAM治療をお勧めしない場合があります。例えば、歯ぎしりや食いしばりが強い場合、素材によっては破損のリスクが高まることがあるからです。
- 修理の難しさ:一度破損した場合、従来の補綴物と比較して修理が難しい場合があります。
- 歯を削る量:材料の強度によっては、十分な厚みを確保するために、歯を多く削る必要がある場合があります。
保険のCADCAM治療で使用される主な素材
- ハイブリッドレジン:セラミックの粉末とプラスチックを混ぜ合わせた素材で、保険適用のCADCAM冠に使用されます。
まとめ
保険で白い歯を入れれるようになりました!
白さや型取りの負担の軽減などいいところがたくさんありますが、
口腔内の状況によってできないところがあったり、銀歯と比べるとかけやすかったりするので、どういった治療をしていくかは担当医としっかり話し合いましょう。