入れ歯っていいイメージないけど、実際どうなの?
何本か歯が無くなってしまって入れ歯になるって先生に言われたけど、入れ歯ってあまりいいイメージがない…、実際のところどういったものなのか教えてほしい!
こんにちは、初めましての方は初めまして、何度かこのコラムを読んでいただいている方はお久しぶりです。
歯科医の原口です。
入れ歯についてどちらかというと悪い印象を持った方も多くいらっしゃると思うので実際のところ入れ歯とは何で、どういった特徴があるのかを説明していきます。
長々と特徴を述べる前に、まずはわかりやすく数行で入れ歯についてまとめます。
入れ歯とは
入れ歯とは、失われた歯の機能と見た目を回復するために使用される人工の歯とそれを支える装置の総称です。
事故、気、加齢など、さまざまな理由で歯を失った場合に、噛む、話す、見た目といった機能を補う役割を果たします そして入れ歯は大きく分けて部分入れ歯と総入れ歯があります。
入れ歯の種類
部分入れ歯
一部の歯を失った場合に、残っている歯にバネ(クラスプ)などをかけて支える入れ歯です。
保険診療の部分入れ歯: 金属製のバネを使用し、比較的安価に作製できますが、バネが目立つことがあります。
自費診療の部分入れ歯(ノンクラスプデンチャーなど)
金属バネを使用せず、特殊な樹脂などで作製するため、見た目が自然で、装着時の違和感が少ない場合があります。
総入れ歯: すべての歯を失った場合に、歯茎の粘膜で支える入れ歯です。
保険診療の総入れ歯
プラスチック製の床と人工歯でできており、比較的安価に作製できます。
自費診療の総入れ歯(金属床義歯)
床の素材に金属を使用することで、安定性や装着感が向上します。
次に入れ歯のメリットや注意点についてお話していきます。
入れ歯のメリット
噛む機能の回復: 食事をしっかりと楽しめるようになります。
ご飯はすべての生活の源なので、歯が少なくてご飯があまり食べれてなかった方が入れ歯をつけたら活動的になって生活が大きく変わったという話はよくあります。
発音の改善
歯がない部分から空気が漏れるのを防ぎ、発音を改善します。
特に前歯が無くなった場合は大きく発音が改善する場合があります。
見た目の回復
歯並びが整い、笑顔に自信が持てるようになります。
人前で笑った際に奥歯が無いのが見られるような気がして笑えない… といった困りごとも入れ歯が解決してくれることが多いです。
周囲の歯の保護
歯が抜けたまま放置すると、残っている歯が移動したり、噛み合わせが悪くなったりすることがありますが、入れ歯を入れることでこれを防ぐことができます。
比較的安価に治療できる場合がある
保険診療の入れ歯は、他の治療法(インプラントなど)に比べて費用を抑えられます。
入れ歯の注意点
異物感がある
最初は特に、口の中に異物感を感じることがあります。徐々に慣れていく必要があります。
靴ずれと一緒ですね、強く当たって痛いところなどは調整して行きますが、少し違和感があるくらいの部分は慣れることが多いです。
噛む力が天然の歯に比べて劣る
特に総入れ歯の場合、天然の歯のような強い力で噛むことは難しい場合があります。
それでも全く歯がない場合と比べたら噛めるようになることは間違いありません。
清掃が必要
毎日取り外して清掃する必要があります。清掃を怠ると、歯周病や口臭の原因になります。
毎日口の中に入れるものなのできれいにしておきましょう!
安定性が悪い場合がある
特に総入れ歯の場合、顎の骨の状態によっては安定しにくいことがあります。
定期的な調整が必要
口の中の状態は変化するため、入れ歯も定期的に調整が必要になります。
保険診療の入れ歯は見た目や機能に限界がある場合がある
使用できる素材や設計に制限があるため、自費診療の入れ歯に比べて審美性や快適さが劣る場合があります。
いくつかの注意点がありますが定期的に歯科医院に通って、チェックを受けていれば大丈夫なものも多いです。
入れ歯の製作期間と費用
製作期間
保険診療:状況に寄りますが部分入れ歯で2週間〜1ヶ月程度、総入れ歯で1ヶ月程度が目安です。
自費診療:患者さんの状態や希望に合わせて丁寧に作製するため、1か月程度かかることが多いです。
費用
保険診療:3割負担の場合、部分入れ歯で5千円~7千円程度、総入れ歯で7千円程度が目安です(上か下の片方の場合)。
自費診療:使用する素材や設計によって大きく異なり、数万円~十数万円になります。
入れ歯の種類が決まるポイント
残っている歯の状態: 部分入れ歯の場合、支えとなる歯の状態が重要になります。
噛み合わせの状態
全体的な噛み合わせを考慮して、適切な設計の入れ歯を選ぶ必要があります。
審美性の希望
見た目を重視する場合は、自費診療の入れ歯を検討するのも良いでしょう。
予算
保険診療と自費診療で費用が大きく異なるため、予算に合わせて選択する必要があります。
ライフスタイル
入れ歯の取り扱いや清掃のしやすさなど、ご自身のライフスタイルに合ったものを歯科医師と決めていくことが大切です。
まとめ
ここまで入れ歯についてお話させていただきました。
入れ歯は入れ歯だからこそのいい点や注意点があります。
これを読んだ皆さんの入れ歯に対する不安などが少しでも解消されればいいなと思っています。
他にわからないことなどがあったら是非とも担当の歯科医院へご相談ください。