長崎県諫早市の歯医者

コラム


誤嚥性肺炎と歯科の関係について


誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は、高齢者を中心に多くの人々が患う可能性のある病気であり、口腔ケアが予防に重要な役割を果たすことをご存じでしょうか?誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液、細菌などが誤って気管に入ることによって引き起こされます。その結果、肺に炎症が生じ、最悪の場合、命に関わることもあります。しかし、この病気は、歯科的な対策を取ることで予防できることが多いのです。本コラムでは、誤嚥性肺炎の原因や歯科との関係について解説し、予防策をご紹介します。

誤嚥性肺炎とは?

誤嚥性肺炎とは、食物や液体、唾液、または口の中にいる細菌が誤って気道に入ることによって発症する肺炎の一種です。誤嚥が起きると、異物が肺に入ることで感染が引き起こされ、炎症が発生します。特に高齢者や免疫力が低下している人々においては、誤嚥性肺炎が重篤化しやすく、場合によっては死亡に至ることもあります。

誤嚥性肺炎の原因となる誤嚥は、食事中や飲み物を摂取する際に、気管に誤って入ってしまうことが多いです。正常な場合、食べ物は食道を通って胃に送られますが、何らかの原因で食道ではなく気管に入ると誤嚥が発生します。この誤嚥が細菌の繁殖を助け、肺に感染を引き起こすのです。

歯科と誤嚥性肺炎の関係

1. 口腔内の細菌が誤嚥性肺炎の原因になる

誤嚥性肺炎の発症において、最も重要な要素の一つが「口腔内の細菌」です。私たちの口の中には、食べ物や飲み物を摂取することで常に細菌が存在しています。これらの細菌は通常、唾液と一緒に飲み込まれて消化器官に送られます。しかし、歯磨きが不十分だったり、歯周病が進行している場合、口腔内に多くの細菌が繁殖し、それが誤嚥によって肺に入り込むと、誤嚥性肺炎を引き起こす原因となります。

特に、歯周病や虫歯を放置していると、歯茎や歯の周りにバイオフィルム(細菌が集まった膜)が形成され、その中で細菌が増殖します。これらの細菌が誤嚥とともに気道に入ると、肺で炎症を引き起こし、誤嚥性肺炎が発症するのです。

2. 高齢者における口腔ケアの重要性

高齢者は、誤嚥性肺炎にかかりやすい傾向があります。その原因として、加齢に伴う免疫力の低下や、飲み込みの機能(嚥下機能)の低下が挙げられます。加齢によって唾液の分泌が減少するため、口腔内が乾燥しやすくなり、細菌が繁殖しやすい環境になります。さらに、口腔内の健康が悪化すると、誤嚥が起こりやすくなることがあります。

また、高齢者はしばしば義歯(入れ歯)を使用していますが、これが原因で歯磨きが不十分になり、細菌が増殖することがあります。義歯をしっかりと洗浄せずに使用し続けると、細菌が繁殖し、誤嚥時に肺に入ってしまうことがあります。

誤嚥性肺炎を予防するための歯科的アプローチ

1. 定期的な歯科チェックとクリーニング

誤嚥性肺炎を予防するためには、口腔内の健康を維持することが非常に重要です。歯科医師による定期的なチェックアップとプロフェッショナルなクリーニング(PMTC)は、歯垢や歯石を取り除き、歯周病や虫歯を予防するために役立ちます。特に高齢者の場合、歯科医院でのクリーニングを定期的に受けることが推奨されます。

また、歯科医師は歯周病の早期発見や治療を行い、口腔内の細菌の数を減らすことができます。歯周病は、口腔内で細菌が繁殖する主な原因となるため、これを治療することが誤嚥性肺炎の予防に繋がります。

2. 適切な口腔ケアと自宅での予防

自宅での口腔ケアも誤嚥性肺炎の予防には欠かせません。毎日の歯磨きが基本ですが、特に高齢者や入れ歯を使っている人は、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことが効果的です。これにより、歯と歯の間に挟まった汚れや細菌を取り除くことができます。

また、入れ歯を使用している場合は、食後にしっかりと入れ歯を洗浄することが重要です。入れ歯に付着した細菌や食べかすが誤嚥を引き起こす可能性があるため、毎日の清掃を怠らないようにしましょう。

3. 嚥下機能の改善とリハビリテーション

嚥下機能が低下すると、誤嚥が起こりやすくなります。高齢者の場合、嚥下機能が衰えることが多いため、嚥下訓練やリハビリテーションが役立つ場合があります。歯科医師や医師と連携して、嚥下訓練を行うことで、誤嚥のリスクを減らすことができます。

食事時に適切な姿勢を保つことや、食べ物の切り方を工夫することも有効な予防策です。特に、食事をゆっくりと摂ることが、誤嚥を防ぐために大切です。

まとめ

誤嚥性肺炎は、口腔内の健康と密接に関係しています。特に高齢者の場合、口腔ケアが不十分だと、口腔内の細菌が誤って気道に入り込み、肺で炎症を引き起こすことがあります。誤嚥性肺炎を予防するためには、定期的な歯科チェックとクリーニング、適切な口腔ケア、そして嚥下機能の改善が必要です。

口腔ケアをしっかり行うことで、誤嚥性肺炎のリスクを大幅に減らすことができます。歯科医師や医師と連携し、日々の口腔ケアを大切にしましょう。自分の健康を守るために、歯のケアを怠らず、定期的な歯科検診を受けることが非常に重要です。

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