長崎県諫早市の歯医者

コラム


態癖とは?実は危険な頬杖や爪噛み


日常生活の中で、無意識に行っている行動や癖のことを「態癖(たいへき)」といいます。例えば、頬杖をつく、片方の歯でばかり噛む、爪を噛むといった習慣です。これらの態癖は一見無害に見えるかもしれませんが、実は歯や歯並び、噛み合わせに大きな影響を与えることがあります。本コラムでは、態癖が歯に与える影響と、その対策について詳しく解説します。

<態癖とは何か?>

態癖とは、普段無意識に行っている習慣や癖のことを指します。歯科の観点からは、口腔内や顎、顔の筋肉に負担をかけるような行動が問題になることが多いです。以下のようなものが代表的な態癖とされています。

○頬杖をつく

頬杖を長時間ついていると、顎に対して片側に偏った圧力がかかります。この圧力が続くことで、歯の噛み合わせや顎の位置がずれてしまう可能性があります。

○片方だけで噛む

食事の際に片方の歯だけで噛む癖があると、使用頻度の高い側の歯がすり減りやすくなり、逆側の歯や顎が弱くなることがあります。この不均衡が噛み合わせに影響を及ぼすこともあります。

○爪を噛む

爪を噛む癖は、前歯に対して過度な負担をかけることになり、歯の先端が欠けたり、歯並びに影響が出ることがあります。また、爪を噛む際に顎関節にも負担がかかることがあります。

○舌を押し付ける(舌突出癖)

舌を前歯に押し付ける習慣があると、前歯が前方に押し出され出っ歯のような状態になることがあります。これにより、歯並びの乱れや噛み合わせの不調が生じることがあります。

○歯ぎしり・食いしばり

睡眠中やストレスを感じているときに、無意識に歯を強く噛み締めたり、歯ぎしりをすることがあります。これにより歯がすり減ったり、顎関節に負担がかかるため、歯や顎の健康に悪影響を及ぼすことがあります。

これらの態癖は日常的に行っているため、すぐに気づくことが難しい場合もありますが、長期的に見ると歯や顎の形態に変化をもたらし、様々なトラブルの原因となることがあります。

<態癖が引き起こす歯や顎の問題>

  1. 歯並びの乱れ

頬杖をつく、片側だけで噛むといった態癖は、顎に対して偏った力がかかるため、歯並びが不均衡になる原因となります。特に成長期の子供において、これらの態癖が続くと、顎の発達が偏り、顎がずれてしまうことがあります。結果として、矯正治療が必要になるケースも少なくありません。

  1. 噛み合わせの不調

片側でばかり噛む習慣や歯ぎしり、食いしばりなどは、噛み合わせのバランスを崩す原因となります。噛み合わせが悪くなると、食事をする際に効率よく噛めなくなったり、顎に過剰な負担がかかって痛みを感じるようになることがあります。また、噛み合わせの乱れは、肩こりや頭痛などの全身の不調を引き起こすこともあります。

  1. 顎関節症のリスク

頬杖や歯ぎしり、食いしばりなどの態癖は、顎関節症の原因となることがあります。顎関節症とは、顎の関節や筋肉に痛みや違和感を感じる状態を指します。症状が進行すると、口を開けるときに痛みを感じたり、関節がカクカクと鳴ることがあります。これにより、日常生活に支障をきたすこともあるため、早めの対策が求められます。

  1. 歯のすり減りや破損

歯ぎしりや食いしばりは、歯の表面をすり減らしてしまい、歯が削れたり割れたりするリスクを高めます。特に、前歯や奥歯に過度な力がかかるため、エナメル質が損傷し、知覚過敏を引き起こすこともあります。また、歯がすり減ることで、見た目にも影響を与えるため、美容面での悩みを抱えることにも繋がります。

<態癖を改善するための対策>

態癖を放置していると、歯や顎に悪影響を及ぼすリスクが高まるため、早めに改善することが重要です。以下は、態癖を改善するための具体的な方法です。

  1. 自分の態癖を知る

態癖を改善する第一歩は、自分がどのような態癖を持っているかを知ることです。例えば、友人や家族に指摘してもらったり、日中の行動を意識してみることで、自分では気づかなかった癖に気づくことができます。また、歯科医院で相談し、歯科医師から指摘を受けることも有効です。

  1. 意識的に姿勢を整える

頬杖をつく癖がある人は、普段から姿勢を意識して正すようにしましょう。背筋を伸ばし、顎が前に出ないように意識することで、顎にかかる負担を軽減できます。また、デスクワークや勉強中に姿勢が崩れやすい場合は、姿勢を正すためのサポートクッションを使うと良いでしょう。

  1. バランス良く噛む習慣をつける

食事の際に片方ばかりで噛む習慣がある場合は、意識的に反対側でも噛むように心がけることが大切です。また、硬い食べ物を適度に摂取することで、顎を均等に使う習慣をつけることができます。

  1. 歯ぎしり対策

歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、睡眠時にマウスガードを使用することで、歯への負担を軽減することができます。マウスガードは歯科医院で作製してもらうことができ、自分に合ったものを使うことで、効果的に歯を保護することが可能です。

  1. 専門家のアドバイスを受ける

顎関節症や噛み合わせの不調が気になる場合は、歯科医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。場合によっては、矯正治療や理学療法が必要になることもあります。専門家のアドバイスを受けることで、早期に問題を解決し、長期的な健康を維持することができます。

まとめ:態癖を改善して健康な口腔環境を保とう

態癖とは無意識に行っている習慣や癖で、例えば頬杖をつく、片方だけで噛む、爪を噛むなどがあります。これらの癖は、歯並びの乱れや噛み合わせの不調、顎関節症、歯のすり減りなど、歯や顎に悪影響を与えることがあります。改善するためには、まず自分の態癖を認識し、姿勢を整え、噛み方を意識することが大切です。歯ぎしりがある場合はマウスガードを使うなど、専門家のアドバイスを受けながら、早期に対策を行いましょう。

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