長崎県諫早市の歯医者

コラム


生え変わりの時に要チェック。エナメル質形成不全とは?


お子さんの生え変わりの時に、時々「この歯はエナメル質形成不全なので気をつけて仕上げ磨きをしてあげて下さいね」と歯科医院で伝えられることがあります。

あまり聞き慣れない言葉なのでいったい何なのかな?と思われる方も多いと思います。

今回はエナメル質形成不全について説明していきます。

まず始めに、歯の構造から説明します。

歯の内側

歯髄

いわゆる歯の神経です。冷たいものや温かいものを感じてくれますが、むし歯になったり、歯の根っこが露出して刺激が伝わると痛みを感じます。

象牙質

象牙質全体には象牙細管(神経につながっている管)が張り巡らされているため、むし歯が進行したり、象牙質が露出すると痛みを歯髄に伝えやすくなります。

エナメル質

歯の表面を覆っている身体の中で一番硬い硬組織です。

エナメル質形成不全とは、③のエナメル質が生まれつき十分に形成されなかった状態を指します。

エナメル質形成不全の歯は、エナメル質に白色や茶色、褐色の着色が付いていたり、着色の部位が欠けているという見た目となります。

エナメル質が不足、つまりエナメル質が薄かったりエナメル質がない場合はその内部の象牙質がお口の中にむき出しの状態となってしまいます。

象牙質はやわらかいため、汚れがつきやすいです。そのためブラッシングなどのケアが不足してしまうと他の歯よりもむし歯になりやすく、むし歯も進行しやすいです。

考えられる原因

全身的な要因

お子さんが胎児の頃に何かしらの代謝異常があった場合に起こると言われていますが、はっきりとした原因は明らかになっていません。

局所的な要因

乳歯の時に外傷を受けた場合や、乳歯の虫歯が大きく根っこに膿が長期間溜まっていた場合、後ろにある永久歯がダメージを受けてエナメル質形成不全になることがあります。

エナメル質形成不全の多い部位

エナメル質形成不全は前歯と6歳臼歯(第一大臼歯)に多いと言われています。前歯はお口の中でも気付きやすいですが、奥歯(特に上の奥歯)はお口の中では暗くてお家では確認しづらいことも多いです。6歳臼歯が生えてきたら歯科医院でチェックしてもらいましょう。

エナメル質形成不全の治療

白色や茶色の着色が付着しているのみであれば、お子さんへのブラッシング指導、保護者の方への仕上げ磨きのお願いと定期的なフッ素塗布でむし歯の予防をしていくことが多いです。

表面のエナメル質が大きく欠けている場合や大きな凹みになっている場合には詰め物をしたりと従来のむし歯の治療と同じ修復処置を行うこともあります。

形成不全の部分が最初は欠けていない場合でも、噛み合わせの力が継続してかかると欠けてしまう場合もあるので定期検診でのチェックも大切です。生え変わりの時期は定期的にメンテナンスに通いましょう!

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