保険治療適応の白いかぶせ物 CAD/CAM冠(ハイブリッドセラミックス)とは
今回は今までの保険治療の銀歯に代わる保険適応の白い被せ物、CAD/CAM冠についてお話します。
CAD/CAM冠について
CAD/CAM冠とはCAD/CAM(computer-aided design/computer-aided manufacturing)というシステムを使って一つのブロック(ハイブリットセラミック)から削り出して作った被せ物のことです。CADとはパソコン上で図面を作成するソフトで、CAMはCADによって完成した図面になるように削り出す機械に信号を送るソフトです。
CAD/CAMとは、CADとCAM両方の機能を併せ持つシステムです。 設計から削り出す機械のデータ作成までをすべて同じシステム内で行うことができます。
歯科の場合ですとCAD/CAMは、お口の中にはめるクラウンやインレーなどの被せ物をCADやCAMを用いて設計、削り出しをするシステムを指します。
従来の銀歯の作成方法(熱して液体になった金属を型に流し込む方法)ではセラミックの被せ物が作れませんでしたが、CAD/CAMのシステムを用いてセラッミックのブロックから歯の形に削り出すことでセラミックのクラウンやインレーなどの被せ物を作成することが可能になります。
ハイブリッドセラミックとは
ハイブリッドセラミックとは樹脂の成分とセラミックの成分が混じった物です。保険で認められているCAD/CAM冠はこのハイブリッドセラミックのブロックで削り出した被せ物のみとなっています。
CAD/CAM冠(ハイブリッドセラミック)の特徴
利点
・金属を使用していないため、金属アレルギーの心配がない。
・色が白く銀歯と比べて審美的に良い。
・保険が使えるので経済的(場所に制限有り→上下1番~5番、7番がすべてあり奥歯で左右とも噛めている方の6番、)。
欠点
・金属やオールセラミックと比べると強度が弱いため、強い力がかかる場合は割れるリスクが高い。
・樹脂の成分が入っているため、時間が経つと変色してしまう。
・樹脂の成分が入っているため、オールセラミックと比べると汚れがつきやすい。
・保険適応の条件がある(前歯、小臼歯、上下左右7番がある状態の6番)。
※金属アレルギーの診断書がある方はすべての歯が保険適応です。
オールセラミックとは
最後にオールセラミックについてお話します。
オールセラミックとは材料すべてがセラミック(陶器)の被せ物を指します。
ハイブリッドセラミックとの違いは、樹脂の成分が入っているかどうかです。
オールセラミックとハイブリッドセラミックの違いを下の表にまとめます。
オールセラミックの特徴 | ハイブリッドセラミックの特徴 |
・金属アレルギーの心配がない ・色が白く目立ちにくい ・天然の歯に近い透明感がある ・変色しにくい ・汚れがつきにくく抗菌作用がある ・金属と比べると劣るが高い強度がある ・保険がきかないため自費治療 | ・金属アレルギーの心配がない ・色が白く目立ちにくい ・オールセラミックと比べ透明感で劣る ・時間とともに変色する ・表面の抗菌作用がない ・オールセラミックより強度は低い ・部位に制限はあるが保険適応 |
今回は保険適応のCAD/CAM冠(ハイブリッドセラミック)とオールセラミックについて少しお話させていただきました。
難しい内容となってしまい申し訳ありません。
最後までご愛読ありがとうございました。